写真学科の近況

新写真派協会副会長 写真学科主任 高橋則英(S52)

●卒業生と新入生
写真学科は本年3月、平成27年度の卒業生として101名を送り出しました。新写真派協会に加わる新たな会員です。この新卒業生を加え、卒業生の総数は8,617名となりました。一方、新入生としては本年度も昨年と同様の120名を迎え入れています。

●人事異動について
講師陣の異動では、本年度から新たに小林光講師(S60)が写真表現Ⅰ(広告写真)を、谷昭佳講師が写真表現Ⅷ(文化財写真・後期)を担当します。専任スタッフの異動では、秋元貴美子准教授(H5)が教授に昇格、田中里実専任講師(H16)が准教授に昇格、穴吹有希助教(H18)が専任講師に昇格しています。また朝内拓雄助手(H24)、浅田慧子助手(H22)、安達洋子助手(H23)が任期満了で退任し、その後任として新たに桑田恵里助手(H24)、重松駿助手(H26)、田中雅貴助手(H27)が着任しています。
さらに大きな異動としては、松田義弘教授(S43)が4月2日に、原直久教授(S43)が8月15日に定年を迎えられました。お二人の先生は昭和47年以来、写真基礎や広告写真、特殊写真技術、ゼミナール等で多くの学生を指導し優秀な卒業生を育てて来られました。今後も非常勤として授業は担当頂きますが、永きにわたる専任教員としてのご尽力に感謝したいと思います。

●大学の現状や通年化計画
芸術学部全体でも団塊の世代の教員が定年を迎え、世代交代の時期となっていますが、写真学科もそのような時期を迎えています。近年、銀塩からデジタルへという写真の基盤技術の急速な転換によって写真の高等教育は大きな影響を受けています。加えて教員の世代交代期でもあり、我が写真学科は大きな変革の時期に入っているといえます。
芸術学部としても、18歳人口の減少など大学を取り巻く様々な厳しい状況に対応するためにも、平成16年より江古田キャンパスの再開発プロジェクトを進めてきました。全体の完成は平成22年ですが、写真学科が新校舎に移転した平成19年3月からは、来年の春で既に10年が経つことになります。さらに芸術学部では、教育の質や効率を高めるとともに学内の活性化を図り、より魅力のある学部とするため、1年から4年まで江古田で学ぶ江古田校舎通年化の計画を進めているところで、平成31年度からの実施を目指しています。

●学生の作品発表やコンテストへの応募
写真学科ではこれまで新たな基盤技術に対応するため、最先端の機材の導入やそれらによる新たな講座の開講などを行うとともに、学外の企業や教育機関とのコラボレーションプロジェクト、企業や写真家事務所、美術館などでのインターンシップ講座を行ってきました。近年では、写真学科の存在感を示し、その教育の成果を学外に強くアピールするとともに、学生のモチベーションを高めるため、学生の優秀作品の発表の場としての写真展の開催や、コンテスト応募の支援などに力を入れています。
その一環として、学科としては初めての「学生選抜作品展」を、2月15日~27日に芸術学部芸術資料館で開催しました。1年から3年までを対象とし、公募したポートフォリオから選抜した13名(金鎰均、中古樹、松井友輝、丸夏実、片岡誠、金成津、橋本陽、真壁敦史、渡邊崚生、石田健、清水奎司、中川一輝、本永創太)の優秀作品を展示したものです。またこの中から更に選抜した6名(松井友輝、金成津、真壁敦史、清水奎司、中川一輝、本永創太)の作品を5月26日~6月1日に四谷のポートレートギャラリーで展示しました。
またキヤノンギャラリー品川でも新たに「日本大学芸術学部写真学科+東京工芸大学芸術学部写真学科」展を行いました。Vol.1 日本大学芸術学部写真学科写真展(2月5日~16日)では、応募されたポートフォリオから選抜した1年から4年までの学生10名(山田凌、掛祥葉子、金成津、渡邊浩史、安藤すみれ、本永創太、坂井花、古賀一樹、山田貴史、八木元春)の作品を、Vol.3 日本大学・東京工芸大学合同写真展(2月27日~3月8日)では4年生8名(猪原樹、大野洋介、黒石あみ、小林安祐美、小松拓也、手塚菜摘、濱田昂之、松本安奈)の卒業制作の中から選抜した作品を展示しました。
また池袋WACCA4階ギャラリーでの学生作品展示も平成27年度の新たな企画です。平成27年11月に小野瑞希・手塚菜摘(4年)、平成28年1月に鵜澤あかね(2年)、3月に森紗英子・勝見里奈(2年)の作品を展示しました。3月にはまた、練馬区役所健康福祉事業本部の依頼で3回目となる「女性の健康週間」写真展を行い、3年生8名(鎌田カリラ茉利子、金井めい子、小田倉璃菜、清水奎司、中莖かうり、中里麻依子、本永創太、吉岡賢)の作品を練馬区役所本庁舎1階アトリウムで展示しました。
さらに平成27年10月には酒井陽一郎(2年)が、第6回イースト・ウエスト・アート大賞・ロンドン(EWAA)の写真部門で、世界26ヵ国の約2,400作品の中から1位を受賞し、イギリスに招待されました。国内では下山真輝(2年)がAPAアワード2016の写真作品部門学生賞を受賞、井上大志(1年)が第63回ニッコールフォトコンテスト第4部U-31部門の大賞を受賞、また金玄錫(2年)が写真新世紀2016年度の優秀賞に選出されました。これらはみな学生の自主的なコンテスト応募ですが、現在写真学科が力を注いでいることの成果といえます。

●卒展や卒業制作優秀作品
卒業生関係では、一昨年から始まった芸術学部8学科が同時期に学内で卒業制作等を展示する「日藝の卒展」を、本年も卒業式直前の3月12日から20日まで開催しました。今回は写真学科の「2016卒展」をその期間に集約し、4年生全員参加の形で規模を拡大し実施しました。
また今年で5回目となる「卒業制作選抜展」は、これまで3月に四谷のポートレートギャラリーで開催してきましたが、本年は2月27日~29日にニコンサロンbis新宿で開催しました。これはオリジナルの卒業制作を学外で唯一展示するもので、選抜された8名の作品(岩井里紗「花の肖像」、遠藤志帆「Multiverse」、大石健登「Lighthouse」、小野瑞希「あ・わ・い」、小堀弘「消滅」、八木元春「Time」、叶麗「絲綢之路<一萬公里の西遊記>」、吉岡翔「覆われた大地」)を展示しました。
卒業制作で芸術学部長賞や金丸重嶺賞などを受賞した優秀作品(岩井里紗「花の肖像」、小松拓也「慟哭と再生の狭間で Iwaki city 2012-2015」、松本安奈「予感させた未来」、田中雅貴「うつしよから」、八木元春「Time」、星野佑「Another Sky」、川村将貴「自分のために 人のために」、小財美香子「南へゆけば」、母袋つばさ「優しい世界」)は、5月から12月にかけて江古田校舎東棟写真ギャラリーにて順次展示していますので、ぜひご高覧下さい。

●芸術資料館の展示
昨年度の芸術学部芸術資料館の展示では、ニュースNo.89でご案内したように昨年の学部祭にかけて、「写真学科卒業生による広告表現 時代のポスター展」を芸術資料館および写真ギャラリーで平成27年10月27日~12月4日の期間開催しました。写真学科は創設以来、広告写真を教育の一つの軸としてきました。今回の展覧会では、戦後の高度成長期からその後の多様化の時代にいたるまで、広告写真の分野で活躍してきた卒業生23名による、時代を特徴づける優れた広告表現の仕事を75点のポスターという形で展示して好評を博しました。
また前期の芸術資料館の展示では、オリジナルプリント展「黒白ファインプリントの名作2」を5月10日~6月17日に開催し、それに合わせ、本年度の新写真派協会の総会も開催しました。

●これからの展覧会や行事
本年のこれからの展示としては、4年前から始まった在学生の作品を学外で展示する企画である「出て来い新人5-日本大学芸術学部写真学科気鋭学生写真展」は、これまで7月に開催してきましたが、ニコンサロンbis新宿にて、本年は10月11日~17日まで開催します。選抜された4年生8名(下川成、福原歩、金井めい子、古賀一樹、池上功一、石田健、高岡辰伍、山田貴史)の作品展示です。
後期日程の大きなイベントである芸術学部祭は江古田校舎で11月3日~5日の3日間開催いたします。写真学科では例年の通り、学生たちの写真展などのイベントが行われます。
また学部祭にかけての芸術資料館の企画展示では、オリジナルプリントコレクションの中から「Life-animals & birds」を11月1日~12月2日に開催いたします。
さらには年明けの平成29年2月18日~3月3日には、金丸重嶺先生の没後40年となることを記念して、「没後40年記念展覧会 写真家 金丸重嶺 新興写真の時代 1926ー1945」を開催いたします。多くの写真学科卒業生のご来校をお待ちしております。